1――基本から実践へ

ポレポレ英文読解プロセス50―代々木ゼミ方式

ポレポレ英文読解プロセス50―代々木ゼミ方式

偏差値60〜70
基本から飛躍し、複雑な英文を読む。薄い本だが、凝縮されており得るものは多い。
例えば以下のような文章。

Among topics we discussed over lunch was the regrettable habit film directors then had of altering the plot of a novel to suit themselves, to the extent even of changing a sad ending into a happy one.

「基本はここだ」(http://d.hatena.ne.jp/edens/20101022/p1)に従って、文を「かたまり」に分けてみよう。すると、

Among topics
we discussed
over lunch
was the regrettable habit
film directors then had
of altering the plot of a novel to suit themselves,
to the extent
even
of changing a sad ending into a happy one.

ということでAmong topics was the regrettable habitが文章の骨子だと分かる。動詞はwasで単数形だから主語はthe regrettable habitで、ここに倒置が起きていることも分かる。倒置が起きているということは強調だが、日本語の場合は重要な言葉が後ろに来がちなので、そのまま訳せばよいと。「話題の中に、悲しむべき癖のことがあった」といったところか。

後はhabit of なんとかで「なんとかという癖」ということさえ分かれば文章は作れる。「私たちが昼食を取りながら議論した話題の一つは、当時の映画監督たちが持っていた悲しむべき癖についてだった。[彼らは]自分たちに合うように小説の筋を置き換え、悲しいエンディングをハッピーエンドに変えてしまうほどだった。」

(訳はコピペじゃなく自分で書いてます。)

amongの処理や、主語の位置、ofの処理が難しい。が、細かく「かたまり」を見ていけばきちんと読むことが出来る。その意味で、難文も「基本」に忠実なのである。

ところで西きょうじのよいところは訳がこなれているところで、「基本はここだ」の時からそれは変わらない。この英文を頭から読んでいって、そのように訳すという方針がある。俗な言い方をすれば京大対策に適しているし、英文をそのまま読むという普遍的な役割にも寄与するだろう。